Mac向けEly Office:オープンソースのオフラインアプリ6本を紹介
文書、表計算、プレゼン、PDF、Markdown、Gitを別々のアプリにしたEly Office。各アプリの用途、向いているMacユーザー、制約と公式ダウンロード先を紹介します。

Ely Officeは文書、表計算、プレゼン、PDF、Markdown、Gitリポジトリという6つの作業を、それぞれ独立したデスクトップアプリに分けています。公式の方針はオフライン優先。ファイルは自分のフォルダに置き、アカウントやクラウドサービスを必要としません。[1]
Apple silicon搭載Macでローカル作業用のオープンソースツールを探しているなら、まず1本を試す候補になります。ただし、DOCX・XLSX・PPTXへの対応だけでMicrosoft Officeを完全に置き換えられるとはいえません。本記事は公式資料に基づく紹介であり、アプリのインストールや実機テストは行っていません。
6つのアプリで何ができるか
ElyDoc:文書作成とページレイアウト
ElyDocはワープロです。主な編集・保存形式はDOCXとODT。スタイル、表、画像、コメント、変更履歴、PDF出力が公式資料に記載されています。まずは一般的な説明文やレポートから試すのがよいでしょう。複雑な契約書、特定フォントに依存するテンプレート、数式を含む文書はコピーで扱い、相手が使うソフトでも確認してください。[2]

カバーと上の画像はElyDocの公式デモ素材です。筆者の実測画面ではなく、特定バージョンの互換性や性能を証明するものでもありません。
ElyTable:表計算、数式、CSVデータ
ElyTableの主な編集・保存形式はXLSXとODSです。CSVなどはインポート画面を経て新しいブックになります。個人用リスト、簡単な予算表、データ整理から試せます。未対応の関数は#NAME?となり、外部リンクは更新されません。複雑な数式、マクロ、外部データに依存するブックをそのまま移行できるとは考えないでください。[2]
ElyShow:スライド作成
ElyShowはPPTXとODPを扱い、基本的な画面切り替えやアニメーション、PDF・スライド画像の出力に対応します。簡単な発表資料を作る候補です。PPTXのセクション情報は保持されず、コメントへの返信もできません。複雑な資料ではフォント、配置、再生を1枚ずつ確認する必要があります。[2]
ElyPDF:PDFの閲覧、注釈、編集
公式機能にはページ整理、文字・画像の編集、注釈、フォーム、OCRテキスト層、電子署名が含まれます。ただしXFAフォームには非対応。署名済みファイルを編集する場合は署名なしのコピーとして保存し、証明書の失効状態も確認されません。契約書、署名済み文書、保管用文書は原本を残し、業務上の要件に従ってください。[2]
ElyMark:ローカルのMarkdown執筆
ElyMarkはUTF-8のMarkdownを編集し、メモ、説明文、READMEに使えます。ネット上の画像は読み込まず、HTMLも実行しません。ローカル画像はファイルパスから読み込みます。0.1.6の互換性表では、2 MiBを超えるファイルはソース表示のみで、この版にはエクスポート機能がありません。PDFやHTML出力が必要な作業では注意が必要です。[2][3]
ElyTree:開発者向けGitクライアント
ElyTreeは文書エディタではなく、変更の確認、ステージング、コミット履歴、ブランチを扱うGitクライアントです。プロジェクト文書も書く開発者向けで、一般のオフィス利用者が全部そろえる必要はありません。リモートへのclone・fetch・pull・pushには通信が必要です。対話的rebaseとhard resetは提供されず、Git LFSは状態表示のみでオブジェクトをダウンロードしません。[2][3]
どんなMacユーザーに向いているか
ファイルのコピーで作業を検証できる人に向いています。日常文書を手元に置きたい個人、オープンソースのデスクトップツールを探す書き手、MarkdownとGitを使う開発者が候補です。ライセンスはAGPL-3.0-or-laterで、第三者コンポーネントにはそれぞれのライセンスがあります。[1]
Microsoft Officeのマクロ、ソフト間で厳密に一致するレイアウト、複雑なExcelモデル、既存のチーム作業に依存する場合は、今のツールを残してください。公式の0.1.6互換性表は、Microsoft Officeとの相互確認をまだ行っていないと明記しています。形式への対応は全機能の互換性を意味せず、本記事でも互換性や速度を独自に検証していません。[2]
ローカル作業でも、Gitのリモート操作、インストーラ取得、更新確認にはネット接続が必要です。別途バックアップを取り、他のソフトがフォルダを同期している場合は、その設定も確認してください。[3]
Mac版のバージョンとダウンロード時の注意
2026年10月19日の確認時点でMac版は0.1.6、Apple silicon(arm64)とmacOS 14以降が必要です。公式サイトの表示は0.1.7ですが、リリースノートではWindowsのみの更新とされ、macOSとLinuxは0.1.6のままです。全体のバージョン表示をMac用パッケージと混同せず、Intel Mac向けとも考えないでください。[4]
- Ely Office公式サイトから公式リリースページへ進み、現在のMac版と要件を確認します。本記事は古いインストーラへの固定リンクを使いません。
- 0.1.6のMac用ディスクイメージには6本が含まれ、必要なアプリだけをドラッグして入れられます。個別ダウンロードも残っています。まず1本で十分です。[4]
- 公式サイトは未公証と明記しています。macOSが起動を止めた場合、入手元と開発者への信頼を確認してから、プライバシーとセキュリティの個別アプリの案内を判断してください。Gatekeeper全体を無効にせず、不安ならインストールを見送ってください。[1]
- 重要ではないファイルのコピーを編集し、別名保存、終了、再オープン後、従来のソフトで文字、数式、改ページ、署名状態を確認します。これは推奨手順であり、本記事で実施したテストではありません。
後で見返すならOpenNavoのEly Officeページへ。ダウンロードは公式サイトの現在の入口から行い、1本で自分の作業を確認してから利用範囲を広げてください。
参考資料
[1] 公式サイト・公式リポジトリとライセンス
[2] Mac版0.1.6の互換性表
[3] 公式ヘルプ
[4] 公式リリースノート